創作する人間にとって、「聴く人」「見る人」「読む人」を想像したり、考えたりすることは大変重要だと感じています。その点をしっかりと書かれている本は、たとえその分野の専門家ではなくても、読む価値があると思います。

ってわけで、たまたま読んだ「新しい文章力の教室」が、音楽にも通じる所が沢山あって面白かったので、紹介したいなと、思いました。

「良い文章」とは完読される文章




この本ではおしまいまで通して、「完読される文章が良い文章」ということに設定します。

(中略)近年のネットユーザーは私も含め、長文への耐性が低下しています。(中略)こらえ性ののない読み手に情報を不足なく手渡し、メッセージを伝えるために、私たちは文章力を磨かなければならないのです。

音楽はどうでしょうか?僕は「2回聴かれるか」が重要だと感じています。
個人的には一曲通して聴いてもらうことって、そんなに重要じゃない気がする。もちろん、イントロで飛ばされるのは論外ですが、どんなに良い曲でもワンコーラスで十分って事は、まぁありますよね。問題は、もう一度聞いてくれるか?ですよ。一回は結構みんな聞いてくれるもんです。良い曲の定義なんて人の数ほどありそうですが、考えてみるのもいいとおもいます。

完読出来ない文章をラーメンに例えてあった。

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ダメな文章は「食べきれないラーメン」

またゼミ生を当てていきましょう。1週目「多すぎる」「伸びてる」「麺ののどごしが悪い」。2週目「虫が入っている」(中略)言い換えればつまりこういうことでしょう。「文章が長すぎる」「タイムリーな話題じゃない」「リズムが悪くてつっかかる」。(中略)したがってこれらの逆をいけば、完食されるラーメン、すなわち完読される文章に近づいていくことができそうです。


僕にはラーメンはピンと来ませんが、自分に身近なものに置き換えるのは有効そうですね。
そのまま音楽に当てはめると、「曲が長すぎる」「今そーゆーの聞きたくない」「下手クソ」ですかね?


文章の仕組み、構造についても分かりやすく解説があります。


事実・ロジック・言葉づかいの3層構造

「事実」「ロジック」「言葉づかい」の3つのレイヤーは、取り返しのつかない順序で積み重なっています。どれだけ美文を連ねても、事実に誤認があったら実用文としては0点です。またロジックがおかしな文章は、言葉づかいでは挽回できません。



これを音楽に変換するには、僕の文才が追いつきません。良い曲は誰が歌っても良い曲である確立が高いように感じます。なんでだろね?「リズム」「メロディー」「ハーモニー」が重要ですよ、って言っとけばとりあえず体を成しますかね?「上手い人が歌うと何でも良い曲に聞こえる論」も検証が必要でしょうな。

具体的な文章の書き方に触れてみましょか。これは作詞をするひと、作曲をする人はやった方がいいですよ。


構造シートを書く

      1. 紙の上方に大きく線を引いて、テーマ(主眼)を書く欄を作ります。この段階では空欄のままとします。
      2. 箇条書きで、囲うとする話題を列挙していきます。
      3. 並んだ話題を眺めながらこれから書く文章の主眼を見定め、テーマ欄に書き込みます。
      4. どの話題から切り出していくべきか、主眼に準じるよう吟味し、項目の左横に順番を数字で書き込んでいきます。
      5. 紙を替え、テーマ欄に主眼を書き込み、順番どおりに並べ直します。もししっくり来なければ、また順番を吟味して書き込み、紙を替えてやり直します。
      6. アピールしたい優先度を、項目の右側にABCの3ランクで格付けしていきます。

これは僕も音楽を作るときにやりますね。紙じゃなくて「ever note」を使いますが。曲のテーマを決めるために、「曲が再生される場所」「聴く人」「音量」「使用用途」などなど。出来るだけ列挙していくと、段々組みあがってきます。そうしないと後で使用楽器に迷ったりするので、最初に明確にしとかないと後が大変です。
普段書いているのを想定して例を挙げてみようかな。はずかし

Concept

ここまで出てれば、テーマはこれでBPMいくつぐらいで、コード進行はアレで、とかなり絞れますね。もうちょっと、客層というか雰囲気情報もほしいけど。たとえば「新婦のお腹には新たな命が!」みたいな項目を増やすと、その項目の重要度はかなり高いので、がらりと変わるかもしれません。


やっぱり必要「トレーニング」

2年も経つと即座にテーマと骨組みをつかみ取り、いきなり書き始めているように「見える」ようになります。(中略)くれぐれも理解していただきたいのですが、いきなり書き始めているのではなくて、瞬間的に心の中に構造シートを立ち上げ、書き込み、その後書き始めているのです。

ぶっちゃけ、「簡単に文章が上手くなったらいいな」と思って買った本だけど、そりゃそうだよね。知ってたよ!楽器演奏や楽曲製作も一緒ですねー。ときどき「どうやって出来るようになったの?」って聞かれます。長い積み重ねの末、出来るようになったものって、言葉で説明するのはすごく大変なんだよ。結構多くのミュージシャンは答えられないんじゃない?もし出来る人がいるなら講師の才能あるぞ。

必殺「サビ頭」は文章でも共通

GLAYの「唇」を例に出すのは古いですか?

これを文章に適用すると「大事な話題から言う」といい直せるでしょう。結論や論点を最初にズバリと提示し、確信から切り込む。すなわち文章をおしまいまで読みたくなるような、魅力的な一段落を最初に持ってくるということです。


サビ頭の曲多いですよね。最近は特に多い印象を受けますが、多用するほどに強烈ということですね。音楽では「リフレイン」の効果が絶大ですから、とにかく「いかに繰り返すか?」が重要です。サビ頭にすれば、ワンコーラスを聴いた時点で、サビを2回聴くことになります。普通ならワンコーラスでサビ一回ですからね。強力です。

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これでまだ第一章


いかがでしょう。ここまででまだまだ第一章です。様々なHow To本がありますが、「受け手の事を考えること」について書かれている本は、音楽に限らずあらゆる事に通じます。物事を多面的に捉えるのは重要ですから、文章力とはあまり関係のない仕事をしている人も、一度目を通してみると参考になりますよ。