コードも付けられないなんて音楽の才能がないと思われても仕方ない。って、僕が言ってるんじゃないよ?この本に書いてあったんだ。
一般的な和声学は、実用的ではないので、耳で聞いて心地いいならそれでいいでしょ、ってのをテーマにしている「実用和声」の本です。ピアノの和音本ですな。名著なんで持っておくといいとおもう。
んで、内容的にはふんだんに「お叱り」が入っていて楽しかったので、引用しながら紹介したいと思います。
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メロディーしか聴いてないヤツ
昔からポピュラーな曲はだいたい伴奏の和音も一緒に耳についているはずで、ここにⅡ6が来ないと、何か違ったような感じがしなければいけないわけなのである。それを楽譜87のような響きで平気でいられるのは、普段音楽を聴くときにメロディしか聴いていない証拠であって、困ったことであり、こういう人は特に、ハーモニー感覚をつけるように人一倍努力しないと、音楽的才能のない人と思われてもしかたがない。
ほら、まじで書いてあるんだって!譜例として、「サンタ・ルチア」の伴奏を「ⅠとⅤ」だけで弾いた楽譜が載っていました。そんな伴奏つけるやつはヤバイと結構強めにdisってますね。
大体、今時ほとんどの音楽は伴奏セットですから、普段から和音を聞いてないわけないんですよ。ちょっと訓練すればすぐ出来ますよ、普通。
それぞれの楽器の和音学を学ぼう
ピアノにはピアノの弾き方があり、ピアノの響きがあるのだから、ピアノを使うなら和声学ではなくて、和音学の方が必要なのである。
はじめて和声学の本を読んだときはびっくりしましたよ。禁則ってこれ全部守るの?まじで?ってな具合に。
いわゆる、和製額は、合唱や4重奏などのように、一つ一つの音を独立した声部として扱う、古典音楽の考え方であって、すべてに適用すべき考え方じゃないんですよね。ま、僕もよくわかってないけどー。
聴いて変じゃなければいいのよ
転調に対するくだりでもいいこと書いてありました。
その方法は、全音階的転調、半音階的転調、異名同音的転調等がある。いずれも両調に共通な和音を利用する。また突然、共通和音もなくいきなり他調の主和音に転調する方法もある。要は、現代において常識的な音楽を基礎として聴いておかしくなければよいのである。
かっこよければいい!ずいぶん昔から言われてたんですね・・・。
楽曲分析は非常に有効ですが、「ん?なんで?」ってことによく出くわしますね。かっこいいならそれでいい、あんまり悩むなよってふうに解釈しました。
とにかくめっちゃdisってる
- わけのわからぬもの
- 音楽家としての感覚がゼロ
- でたらめな和音
上記のような小気味よいお叱りの言葉が、バンバン飛び交います。読んでて楽しくなってきちゃいます。
ずっと売れてる
1957年が初版刊と書いてました。半世紀ずっと売れてるって、もはや教科書だね。今更ブログで紹介とか、どの面下げて?感強いですな。すいませんね、素人で。
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おわりに
僕みたいに、大人になってから「和声」を勉強しようって人は、和声学の本と一緒に買うことを強く勧めます。
50年間の間に何度か修正も入っているようなので、現代人にも読みやすい日本語です。
ポップス畑ので、今ちょうど和声学学んでて、「えっ?」って困惑しているならすぐ読むべきです。